虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「大変。リドディエ様が怒り狂う前に、黒猫さんは……っ」

「僕に一体、なんの恨みがあるんだ……」

「にゃっ!?」

 黒猫に対して「逃げろ」と警告するのが、一歩遅かったようだ。
 リドディエは使い魔の尻尾を鷲掴むと、嫌がる小動物を宙吊りにした。

「んにぃ……!」

「寝坊してしまったようだな……」

「お、おはようございます。リドディエ様……」

「ああ。おはよう」

 彼は勢いよく獣を左右に揺すったあと、空に放つ。
 獣はくるくると空中で回転すると、最終的に床の上で綺麗な着地を披露した。

 その様子を観察し終え、あまりの華麗さに心を奪われた少女はパチパチとそれを喜んだ。

「猫さん、凄いわ」

「にゃあん」

 黒猫は「えへん」と胸を張り、「もっと褒めて」と言わんばかりにかわいらしい鳴き声を響かせる。

(癒やされるわね……)

 そんな光景を目にしてニコニコと目元を緩めていると、隣で寝そべっていた彼に強い力で身体を引き寄せられる。
 何事かと陛下の顔色を覗えば、不満そうにこちらをじっと見つめる紫の瞳と目が合った。
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