虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「リドディエ様……?」

「今、一番近くにいるのは僕だ」

「ええ……。それはもちろん、よく理解しているわよ……?」

「使い魔を気にするのは、僕がいない時だけにしてくれないか……」

「そうね。陛下と一緒にいられる時間は、とても貴重だもの。大事にしなければ……」

 エクリーユは恐る恐る、自ら彼の腰元に優しく触れた。
 そこはゴツゴツとしており、触り心地がいいとは言えない。

(筋肉質な身体って、こういう人のことを言うのかしら……?)

 少女は好奇心を止めることが出来ぬまま、その感触を確かめるように何度も指の腹を使って撫で回す。

「く……っ」

 リドディエは時折押し殺したような呻き声を上げては、青くなったり赤くなったりと百面相を繰り広げている。
 ひとしきり触り心地を確認したあとにようやくその姿を目にして、慌てて指を離した。

「ご、ごめんなさい。触れないほうが、よかったかしら……?」

「いや……。問題はそこではなく……」

「もう、私からは……」

「好きなだけ触ってくれ」

 エクリーユが遠慮する素振りをみせれば、リドディエはむしろ触ってくれと言わんばかりに懇願してきた。
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