虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
(あの女にいだく憎悪よりも、陛下と一緒に過ごした時間のほうが楽しいと思えるから、私はこんなにも心穏やかな気持ちでいられるのね……)
エクリーユは左右に首を振ってなんでもないとアピールすると、口元を綻ばせて彼に告げる。
「今、私が幸せでいられるのは――あの日、リドディエ様に攫ってもらったおかげよ! 本当にありがとう!」
なんの前触れもなく、お礼を言われたのだ。
リドディエにとっては寝耳に水の話だったのだろう。
最初は呆けていたが、時間が経つに連れてようやくこちらが伝えたいことを理解したらしい。
「こちらこそ。僕を敵視することなく、受け入れてくれた。感慨な心を持つエクリーユには、感謝してもしきれん……」
彼もまた、紫色の瞳を優しく綻ばせて喜びを噛みしめる。
(手が汚れているのが、残念でならないわ……)
陛下に今すぐ抱きつきたい衝動に駆られても、それを実現することは叶わない。
彼の高級な衣服を汚すわけにはいかないからだ。
(手を洗ったら、思う存分。リドディエ様と、触れ合いましょう)
人知れず心に誓った少女は、水場に向かって走り出した。
エクリーユは左右に首を振ってなんでもないとアピールすると、口元を綻ばせて彼に告げる。
「今、私が幸せでいられるのは――あの日、リドディエ様に攫ってもらったおかげよ! 本当にありがとう!」
なんの前触れもなく、お礼を言われたのだ。
リドディエにとっては寝耳に水の話だったのだろう。
最初は呆けていたが、時間が経つに連れてようやくこちらが伝えたいことを理解したらしい。
「こちらこそ。僕を敵視することなく、受け入れてくれた。感慨な心を持つエクリーユには、感謝してもしきれん……」
彼もまた、紫色の瞳を優しく綻ばせて喜びを噛みしめる。
(手が汚れているのが、残念でならないわ……)
陛下に今すぐ抱きつきたい衝動に駆られても、それを実現することは叶わない。
彼の高級な衣服を汚すわけにはいかないからだ。
(手を洗ったら、思う存分。リドディエ様と、触れ合いましょう)
人知れず心に誓った少女は、水場に向かって走り出した。