虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「僕の異能は、物理的な攻撃を防ぐ。シンボルツリーに強力な加護が付与され、傷一つつけられなかっただろう。あれとよく似た力だ」

 彼の異能は、攻撃魔法ではなかったらしい。
 何かを燃やすことしかできない自分にとって、リドディエの力は羨ましくもある。

「君が大木を炎ですべてを灰にした時、とても驚いた。あの木を燃やし尽くせるのなら……僕の命も、君なら葬り去れるかもしれないと……」

「リドディエ様も……私と同じだったの……?」

「ああ。君が死なせてほしいと窓から身を乗り出した時。咄嗟に止めたのは、置いていかれたくなかったからだ。結局僕も、君を利用している」

「そんなこと……」

「あの男と、一緒なんだ。そんな僕の本性を知っても、まだ好きで居続けてもらえるのだろうか」

 羨望の眼差しで彼の主張に耳を傾けていれば、リドディエは不安そうにこちらへ問いかけてきた。
 エクリーユは呆れたように肩を竦めたあと、はっきりとした口調で告げる。

「当たり前でしょう?」

「エクリーユ……」

「私は陛下が一体何を怖がっているのか、さっぱり理解できないわ……」

 アティール王国の第2王女は命を絶とうとしたところをリドディエに連れされた。
 その時からずっと、少女の心は彼に囚われたままだ。
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