虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「すまん。一段落したら、会いに行くつもりだったのだが……」

「ごめんなさい……。やっぱり、会いに来るべきではなかったわ……」

「なぜだ」

「だって、お仕事の邪魔を……」

 2人はほぼ同時に謝罪をする。
 しかし、エクリーユの言葉を耳にした彼はそれを素直に受け入れてはくれなかった。

「僕は、嬉しい」

「リドディエ、様……?」

「君がこうして、話しかけてくれるなど……。夢のようだ」

 少女がリドディエに嫌われることを恐れて遠慮いるのに、気づいたのだろう。
 彼は心底嬉しいとばかりに喜びを露わにしたあと、優しく口元を綻ばせた。

「殺風景な部屋だが、ゆっくりして行ってくれ」

「陛下のお心遣い、感謝いたしますわ」

「ああ……」

 恭しいカーテシーとともに感謝を伝えれば、リドディエは長い黒髪が揺れる姿を観察したあと、ぽつりと呟く。

「君はとても、礼儀正しい姫だな……」

「そう、かしら……? 私は、ガサツで野蛮なほうだと思うわ」

「なぜ?」

「だって……。王族に相応しい教育を受けられたのは、5歳の時までですもの……」

 エクリーユはポツリと呟いた国王の声を拾い、どこか恥ずかしそうに理由を告げた。
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