虐げられた末に復讐を終えた王女は、世界で一番幸せな王妃となる
「お部屋に閉じこもりだった姫様が、お外で元気に走り回るなど……。テラマ、感無量にございます……」

「それは、その光景を見てから言ってくださる?」

 彼女は瞳に涙を浮かべて、王女の成長を喜んだ。
 そんな侍女の姿を前にしたエクリーユは、呆れたように肩を竦める。

「申し訳ございません……。姫様が活発な女性に成長しているなど想定しておらず、外出着はすべて踝丈のものしかなく……」

「なら、夜着のままでいいわ」

「ひ、姫様!? なりません! そのような薄着で外に出るなど……!」

 テラマから申し訳なさそうにそう告げられた少女は、薄布1枚で外に出ると言い出した。
 今のエクリーユはアティール王国の第2王女でもあり、レべラゼム王国の国王として君臨するリドディエの婚約者だ。

 彼女がそんなはしたない格好で歩き回るなんてどうかしていると真っ青な顔で異を唱えるのは当然なのだが……。

「自国では、ずっとこんな感じだったわよ? それに、酷く薄汚れてみすぼらしい姿よりは……ずっといいでしょう?」

 エクリーユにとってこの格好はアティール王国で暮らしていた時よりはよっぽどまともで、人前に出ても恥ずかしくない格好だった。
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