超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
(それより、身分制度がなくなるかもしれないなんて、想像したこともなかった……)

シャルロットは手に持ったティーカップを見つめる。
この美しい磁器も美味しい紅茶も高価なものだ。
身分制度がなくなったら、働かなければ手に入らなくなるだろう。

(テオドール様は私が路頭に迷わないよう手配してあるとおっしゃっていたけれど、今のうちから職に繋がりそうな技術を身に付けておいた方が良いかも)

裁縫道具を取り出して、刺繍を始めるシャルロットだった。

◇◇◇◇◇

翌日。

「読み終わったから返すわね。ありがとう」
「ど、どうでしたか?」

雑誌を貸してくれたメイドに手渡すと、メイドは心配そうな面持ちで尋ねて来た。

「確かに設定は似ていたけれど、そもそも貴族の婚姻ってある意味、契約結婚なのよ。
私は健気でもないしテオドール様も冷酷でもないから、私達をモデルにしているとまでは言えないわね。
だから、みんなも気にしないでね」

シャルロットがにこっと微笑む。

「わかりました! 騒いでしまってすみません」
「心配してくれたのよね、ありがとう」

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