超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

ゆっくりと意識が浮上するにつれ、シャルロットは思い出した。
ここは、グレイヴン公爵家。

「気がついたか。君が倒れたので医師に診てもらった」

ベッドの傍らに座っていたテオドールが本を置き、シャルロットに話しかけた。

「す、すみません!」

(テオドール様にご迷惑をかけてしまった!)

慌てて上体を起こすシャルロットを、テオドールは手で制止する。

「無理をするな。正直に答えてくれ。視ると体に負担がかかるのか?」
「今までも連続で視すぎた時は頭痛がしたことはありますが、倒れたのは今回が初めてです」

シャルロットはきっぱりと答えると、テオドールは「では倒れたのは別の要因か」と呟く。

「君を診た医師が、栄養不足と言っていた。君は所謂ダイエットをしていたのか、それともーー両親に虐待されていたのか?」

テオドールの問いに、シャルロットは苦く微笑む。

「殿方にしなだれかかった時に、羽根のように軽くなければいけないと……」

ターゲットが細身で小柄な男性の場合もある。
体重が重かったら、受け止めきれず倒れてしまうかもしれない。
恥をかかせたら大ごとになって良くない。
可憐で華奢な若い女性だからこそ、いい気分にさせて自然に『視る』ことができるのだーー

両親からそう言われては、シャルロットは従う他なかった。
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