超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
両親が伯爵という階級以上に豪華な食事を貪る横で、シャルロットは野菜スープを食べさせられていた。
「そういえば、ノイエ夫妻が私をターゲットにした理由は、君と結婚させてグレイヴン家に入り込む気だったのだろう?」
テオドールの確信を得た言い方に、シャルロットは力無く頷く。
(このままでは、両親の思い通りになってしまう……)
「ノイエ夫妻の処罰についてだが、様々な貴族への脅迫を明らかにすると、君の能力もバレる確率が高まる。それは君ひいては私も危険だから、私はスルーすることに決めた」
「はい……」
「だが、君への虐待については公にする」
「え」
「筋書きはこうだ。君が両親から虐待されていることに気付いた私が激怒。罰としてノイエ夫妻をグレイヴン領にある離島送り」
「!」
「粗食になるから痩せるだろうな。強制労働をサボればムチ打ち。そういう場所だ」
彼らがシャルロットにしてきたことが全て跳ね返るのだ。
「テオドール様、ありがとうございます……。このご恩は何としてもお返しいたします」
「君はすでに充分貢献してくれた。今はとにかく休んで、栄養をとることだけを考えたまえ」
テオドールはベッド備え付けのテーブルに載ったトレイを指差すと、部屋から出て行った。
一人になったシャルロットは、部屋の中を見渡す。