超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
「今の説明はシャルロット嬢と結婚する理由であって、昨夜シャルロット嬢を連れて帰った理由がないよね」
「!」
ユーリの言葉に、テオドールもシャルロットも僅かに目を見開く。
(確かにそうだわ……さすが公爵家当主。柔和に振る舞いながらも鋭い)
テオドールとシャルロットに緊張が走ったことに気付いているのかいないのか、ユーリは朗らかに話を続ける。
「社交パーティ後、公爵が戯れに令嬢をお持ち帰りすることは珍しくはないよ。
けど、"堅物のグレイヴン公爵"がそれをしたら、みんな『どうして?』って詳しく知りたがる」
「だからそれは、シャルロットの虐待が発覚したから保護をーー」
「虐待が発覚ってどうやって? バルコニーで脱がしたら、折檻の跡があったの?」
「な……!? 私がそんなことするわけないだろう!」
「じゃあどうやって?」
「……」
「テオドール、詰まってしまった時点でもうダメだよ」
テオドールは苛立った。
ユーリに対してではなく、詰めの甘い自分に対してだ。
(テオドール様は分析力があって論理に強いけれど、人の心の機微に関してはユーリ様が上手だわ)
シャルロットは静かに動向を見守る。