超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

10歳の高熱で発現して以来、ノイエ夫妻の命令で様々な紳士に触れて情報を読み取り、ノイエ夫妻がそれを元に脅迫をして、小麦農地や鉱山を奪って来たことまで聞いたユーリは、深く息を吐いた。

「そんな魔法のような能力が存在するのか……。そりゃ速攻で連れ帰るし、僕に隠した理由もよくわかった。絶対に他言しないし、フォローするよ」
「ああ」

ユーリは力強く宣言した後、腕を組んで考え込む。

「そうだな、『テオドールがシャルロット嬢を連れ帰った理由』はこういう筋書きでどうだい?」

シャルロットがバルコニーでボーナム男爵に迫られていたところを、テオドールに助けてもらう。
テオドールに「なぜボーナム男爵に抱きついた?」と問われ、シャルロットが「両親からボーナム男爵は最近金塊を発掘したから、たらし込めと命令されて仕方なく。逆らうとムチで打たれる」と答える。
医師に診せるため、グレイヴン家に連れて帰る。
医師の診断で事実と判明し、テオドールが激怒してノイエ夫妻を離島送り(罰として強制労働)。

「概ね事実だな」
「嘘が多いと辻褄が合わなくなるからね。要は能力に関する部分だけ隠せばいい」
「あの……私の名誉回復を考慮してくださったのですか?」
「名誉回復?」

シャルロットの問いに、テオドールは不思議そうに呟く。
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