超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
テオドールの言葉に頭を上げた兵士は、もう一度頭を下げてから部屋を出ていった。
(テオドール様、公平な方なのね)
シャルロットがぼんやりと思っていると、テオドールは部屋の中を見回る。
「ルイスを軟禁していたのは、保護の意味もあったのだが。……ああ、持ち物は残っているな」
小さなテーブルの上に、ぽつんと置かれた鞄。
窓から樹に飛び移るには身軽でなければいけない。
貴重品だけ持って、後は残したのだろう。
「視るのは執務室で行う」
「はいっ」
シャルロットはルイスの鞄を持ったテオドールの後ろについて、執務室に向かった。
テオドールは執務室に入ると、テーブルの上に鞄の中身をぶちまけた。
クシャクシャの新聞、薄汚れたキャスケット帽、枝を切るための鋏。
テオドールの視線が、シャルロットに移る。