超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

テオドールの言葉に頭を上げた兵士は、もう一度頭を下げてから部屋を出ていった。

(テオドール様、公平な方なのね)

シャルロットがぼんやりと思っていると、テオドールは部屋の中を見回る。

「ルイスを軟禁していたのは、保護の意味もあったのだが。……ああ、持ち物は残っているな」

小さなテーブルの上に、ぽつんと置かれた鞄。
窓から樹に飛び移るには身軽でなければいけない。
貴重品だけ持って、後は残したのだろう。

「視るのは執務室で行う」
「はいっ」

シャルロットはルイスの鞄を持ったテオドールの後ろについて、執務室に向かった。



テオドールは執務室に入ると、テーブルの上に鞄の中身をぶちまけた。

クシャクシャの新聞、薄汚れたキャスケット帽、枝を切るための鋏。

テオドールの視線が、シャルロットに移る。
< 29 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop