超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
「サバト……新月はいつだ?」
「確か今夜ですわ」
「急がねば!」

テオドールは言いながら、執務室を飛び出した。

(私が視た情報が、間違っていたらどうしよう……)

開け放たれたドアから、テオドールが走り去った廊下を見つめるシャルロット。

「奥様、テオドール様がお帰りになるのを待ちましょう。お茶の用意をいたします」
「……そうね」

執事長に声をかけられたシャルロットは、自室に戻ることにした。




ーー昼前に飛び出したテオドールが帰って来たのは、翌朝だった。

「テオドール様、おかえりなさいませ」

玄関でテオドールを出迎えたシャルロットは、彼の後ろについて執務室に入る。
前を歩くテオドールから、ふわりと不思議な香りがした。
お香と埃が混じったような。
テオドール本人も気付いたのか、顔をしかめる。

< 33 / 55 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop