超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
「……この人形に誰も見覚えがないのだな?」

リチャードは使用人達に尋ねると、全員戸惑った表情で肯定する。

「中庭は建物に囲まれている為、侵入者がいれば誰かの目につくはずだ。
そもそも部外者が侵入したら、番犬たちが気付かぬわけがないのに一体どうやって中庭に運んだのか……」

テオドールがブツブツと独り言を言いながら、ポケットからハンカチを取り出す。

「私が調べるので、これは預かります」

メイドから人形を受け取ったテオドールは、人形をハンカチに包んで自身の懐に仕舞った。

「二人とも長旅で疲れただろう。部屋へ案内を」
「テオドール様、シャルロット様、こちらでございます」

執事長に案内された部屋はとても広く、立派な部屋だ。

「ご夕食のお時間は18時頃でございます。少し前にお迎えに参りますのでごゆるりと」

執事長はそう言ってから退出した。

テオドールとシャルロットの二人きりになり、二人は目を合わせる。
考えていることは同じーーあの不気味な人形のことだ。

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