超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
「婚礼式の前に人形の件が平和に解決してよかった」
「ええ、本当に」
晩餐はつつがなく終わり、テオドールと話をしながら部屋に戻ったシャルロット。
人形の件が解決したので、かなり気持ちが楽だ。
だから、確認をすることをすっかり忘れていた。
湯浴みを終えた後、寝室に入って目を見開く。
天蓋のついた大きくて立派なベッドが、一つだけ。
(建前上は夫婦だから、こうなることは予想できたのにうっかりしていたわ……。
指先一つ触れたことがないのに同じベッドで寝るなんて……)
「テオドール様、寝室をもうひとつ用意していただくことはーー」
ベッドに横たわったテオドールに声をかけるが、返事がない。
「……もう寝てるの!?」
広いベッドの左端で眠るテオドールを見て、シャルロットは深く溜め息を吐いた。
(この人は私のことなんて、何も意識してないんだわ)
なんだかバカらしくなったシャルロットは、テオドールと反対側に横たわった。