超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
心理学の本だ。
(真面目だわ!)
シャルロットはなんだか気持ちがほどけて、ここに来た目的を思い出した。
「ところで、人形に目を付けたいので貸していただけますか」
「ああ」
テオドールは本をテーブルに置き、懐から人形を取り出してシャルロットに渡す。
シャルロットは目のない人形を見つめる。
「不思議なものですね。あんなに不気味に見えたのに、理由が判明したら可哀想な人形に見えてくる」
「君はそう感じるのか。私は理由が判明した後も不気味さは変わらない」
「なるほど、テオドール様らしいですわ」
シャルロットはテオドールの向かい側のソファーに腰を下ろし、持って来た裁縫道具をテーブルに置いた。
翠色の丸いガラスの中心の穴に糸を通し、人形に縫い付ける。
作業はすぐに終わり、人形は翠色の丸い目を持つかわいらしい姿に戻った。
一連の流れを見ていたテオドールが少し目を見開く。
「器用なものだな。そういえばメイド長が、君が自分で髪を結ったりドレスを着たりすることに驚いていた」
「……実家ではメイドを付けてもらえず、自分でやるしかなかったので」
「それから、君が私の髪色に合わせて群青色のドレスを選んだことを褒めていた。夫婦はお互いの色を身に付けるものなのだと私は知らなかった、ありがとう」
「!」
(気付いてくれる人もいるんだ……)
(真面目だわ!)
シャルロットはなんだか気持ちがほどけて、ここに来た目的を思い出した。
「ところで、人形に目を付けたいので貸していただけますか」
「ああ」
テオドールは本をテーブルに置き、懐から人形を取り出してシャルロットに渡す。
シャルロットは目のない人形を見つめる。
「不思議なものですね。あんなに不気味に見えたのに、理由が判明したら可哀想な人形に見えてくる」
「君はそう感じるのか。私は理由が判明した後も不気味さは変わらない」
「なるほど、テオドール様らしいですわ」
シャルロットはテオドールの向かい側のソファーに腰を下ろし、持って来た裁縫道具をテーブルに置いた。
翠色の丸いガラスの中心の穴に糸を通し、人形に縫い付ける。
作業はすぐに終わり、人形は翠色の丸い目を持つかわいらしい姿に戻った。
一連の流れを見ていたテオドールが少し目を見開く。
「器用なものだな。そういえばメイド長が、君が自分で髪を結ったりドレスを着たりすることに驚いていた」
「……実家ではメイドを付けてもらえず、自分でやるしかなかったので」
「それから、君が私の髪色に合わせて群青色のドレスを選んだことを褒めていた。夫婦はお互いの色を身に付けるものなのだと私は知らなかった、ありがとう」
「!」
(気付いてくれる人もいるんだ……)