超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました

母の言葉にシャルロットは震え上がる。
鞭で打たれるメイドの背中から血が噴き出していたことを思い出したからだ。
シャルロットの足は震えからもつれて、偶然にも転んでしまった。
白い髭のおじさんーーパヴァティ伯爵の目の前で。

「お嬢さん、大丈夫かな?」

パヴァティ伯爵はにこにこと微笑みながら、シャルロットに手を差し伸べた。
シャルロットは立ち上がるため、その手を掴んだーー瞬間。

(まただわ……!)

シャルロットの脳内に映像が流れ込み、思わず目を瞑る。

「おや、具合が悪いのかな?」

パヴァティ伯爵に声をかけられて、シャルロットはハッと目を開ける。

「いえ、大丈夫です。ありがとうございました!」

シャルロットはパヴァティ伯爵から手を離し、お辞儀をしてすぐに父母の元に走った。

「シャルロット、何か"視えた"んだな?」

父に凄まれたシャルロットは眉を下げて、小さな小さな声で話し始めた。
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