超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
「嘘と敵だらけの社交界で、彼女だけが信じられる存在だった」

リチャードの言葉には、公爵家前当主の孤独が滲んでいて。
シャルロットは静かに頷く。

(恐らくお二人も政略結婚だったのだろうけど、リチャード様にとってベアトリス様は大事な方だったことが伝わってくるわ……)

ドアが開く音がして、すぐにテオドールが入って来た。

「シャルロット、私だーー父上、どうかしましたか?」

戻ってきたテオドールが、静かに微笑み合うリチャードとシャルロットを見て、不思議そうに尋ねる。

「世間話をしていただけだ。テオドール、シャルロット、二人で力を合わせてゆくのだぞ」
「ええ」
「はい!」

ーーこうして、テオドールとシャルロットはグレイヴン領を後にした。


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