超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
◇◇◇◇◇

晩餐会の日がやってきた。

グレイヴン邸宅の前に豪華な馬車が次々と停まり、華やかに着飾った貴族達が現れる。

招待客は十数人ほど。みな、高位貴族たちだ。
招待客達は、まず応接間に通された。

応接間のソファーに座った三人の侯爵夫人ーー貫禄のあるマダム達が扇子で口元を隠して喋る。

「初めての晩餐会で私達を呼ぶのは、まず第一関門クリアね」
「お返しに、今度の夜会に招待しましょ」
「ねえ見て! テオドール様の盟友フォラツ公爵家当主のユーリ様は勿論、大司教ヨハン様まで」
「それにーー」

カツン、カツンとヒールの音を響かせて応接間に現れたのは、胸の谷間がくっきりと見えるブルーのドレスを着た、派手な美女。
公爵令嬢ダリラだ。

彼女が様々なパーティで「テオドール様に相応しいのは私」と騒いでいることは有名で。
晩餐会の主催は、ライバルであるシャルロット。
何も起こらないわけがないだろう。

マダム達は、

(社交界で今一番話題の対戦を最前列で観られるなんてラッキー!)

と内心興奮気味に頷き合った。

ダリラが最後の招待客だったようで、応接間にテオドールとシャルロットが現れる。

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