超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
食事が終わり、まずシャルロットが立ち上がる。
「皆様、応接間に紅茶と焼き菓子をご用意しております。ゆっくりお話をいたしましょう」
シャルロットの音頭で招待客達が席を立ち、応接間に向かって歩き出した。
が、ダリラだけは席を立たず、立ち上がったテオドールに上目遣いで話しかける。
「テオドール様、私はテオドール様のお役に立ちますわ」
「ほう、例えば?」
「ゾーヴィス公爵家には有能な私兵が多数在籍しておりますの。
王都の犯罪を取り締まるテオドール様の手足となって働きますわ!」
「それは助かるな。現状、人手不足極まりない」
テオドールがダリラの言葉を肯定したことで、空気がざわつく。
「グレイヴン公、乗り気じゃないか?」
「でもテオドール様はもう結婚されてるし……」
「そこは、『結婚を無効にしたい』と国教会に言えば済む」
「テオドール様って合理的で冷徹だから、ダリラ様の方が利益になると踏めば乗り換える可能性はあるわよ」
「いや、性格的にただ素直な感想を言っただけだろう」
小声で話す招待客達。
テオドールの反応に手応えを感じたダリラは、さらに話を続ける。
「テオドール様がシャルロット様と結婚なさったのは、ノイエ伯爵領の農地と鉱山の利益が莫大すぎて危険だから、国の領地に替えるためですわよね?」
「ああ、そうだ」
テオドールの返事を聞き、満足げに微笑みながらダリラは勝負に出た。