超能力持ち令嬢ですが冷徹理屈屋公爵に「その力を貸してくれ」と言われて偽装結婚することになりました
「……王宮の庭にあるのか?」

「ええ」と返事をしながら歩を緩めないシャルロット。

「ターンをした時に、同じものが視界に映ったのです。あの柱――」

シャルロットが指差した先にあるものを見たテオドールが目を見開いた。

「あれは、王宮のガゼボの柱だったのか」

王宮の庭の隅にある東屋(ガゼボ)は、8本の細い柱の上に半球型の屋根がついている。

「レリーフが特徴的なんです。王宮のガゼボということで、フィリス王家の紋章に使われているブドウの蔓と剣をモチーフにしているのでしょう」

ガゼボの中に入ったシャルロットは、描いた絵をポケットから取り出して、柱や植物の位置を見比べた。

「ーーここです」

シャルロットが呟きながらしゃがみ込み、手袋を外してガゼボの床に触れる。

頭の中に映像と音声が流れ込んできたーー

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