クール王子は愛したがり
「あーちゃん、独占欲強いね(笑)
俺以上に嫉妬深いし…」

藤乃がトイレでいなくなり、定位置に戻って座った善一郎。
困ったように笑って、絢世に言った。

「だから、言ったろ?
“フジのこと好きすぎておかしくなってる”って」

「…………俺みたいになるなよ?」

「は?」

「俺も、嫉妬深いからな…(笑)
そのせいもあって、リンを取られた」

「わかってる」


一方の藤乃―――――――

「………はぁ…」

私のような地味女を好きでいてくれて、大切にしてくれるのはとても嬉しい。
でもアヤは普段他人に全く興味がなく、淡々としている。
でも、私のことになると見境がなく度が過ぎる。

とにかく絢世は、怒ると恐ろしい。
藤乃の前ではあまり見せないが、たまに藤乃の前とか関係なくキレてしまう。

「とにかくアヤを怒らせないように、私がしっかりしなきゃ!」
自分に言い聞かせるように言って、トイレを出た。

席に戻ろうとすると、後ろから「藤乃?」と声をかけられた。

「え?
…………あ、京滋くん!?」

「やっぱ藤乃だ!!」

京滋が立っていて、嬉しそうに近づき“ごく普通に”藤乃の手を取り指を絡めた。

「……//////」
(わ…この感じ、久々…///////)

京滋にとって、手を握ることは深い意味はない。
京滋には“パーソナルスペース”という概念がないのだ。
なので“相手が誰でも”懐に入り、スキンシップをする。

でも、藤乃にとってはとんでもないことだ。
一気に顔が赤くなる。

「あ…ごめんね(笑)
つい……」
藤乃の反応を見て、慌てて離れる京滋。

「///////ううん。
えーと…久しぶりだね…!
琳ちゃんと来てるの?」

「ううん!
今日は、大学の友達と!
あ、ちなみに全員男ね(笑)」

「あ…(笑)」

「琳子と…って言うってことは“知ってるんだよね?”」

意味深に言う京滋に、藤乃はゆっくり頷いた。

「そっか…
…………藤乃は?彼氏と?」

「うん。
彼氏と友達の三人で」

「へぇ~!
会ってみたいな!
会わせてよ!
席まで、ついてってい?」

「………あ、えーと…」
(ダメダメ!!
会わせられない!!!
アヤは嫉妬しちゃうし、何より……
“善くんには絶対会わせられない!!”)

「藤乃?」

「あ、もう帰るし、急いでるの!
ご、ごめんね…!!」

藤乃は逃げるように、その場を後にした。



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