クール王子は愛したがり
「………」
「………」

「………」
「………」

無言で歩く、絢世と藤乃。
声をかけたいが…半歩前を歩く絢世の雰囲気が怖くて、藤乃は声をかけられずにいた。

すると、絢世が前を向いたまま「あいつさ」と切り出す。

「え?」

「フジ、もう会わないでね」

「え?」

「あいつ、嫌だ」
藤乃の方を向き、はっきりとした口調で言う絢世。

「え?え?
京滋くんのこと?」

「うん」

「あ、でも…琳ちゃんの彼氏さんだし…」

すると、今度はピタリと立ち止まる。
「……っ…え!?」
思わず藤乃は、絢世の背中にぶつかりそうになる。

「でも会わないで」

「会う時は、琳ちゃんもいるよ?
もちろん、二人では会わない」

「………」
不服そうな絢世。

「アヤ、どうしたの?
いつもはここまで言わないのに…」

「だって、フジが照れてたから。
あいつに惚れたら困る。
フジは僕のフジだから」

「………へ…!?」

「ゼンが肩抱いた時はびっくりして顔を赤くしてたけど、あいつと微笑み合ってた時は照れて顔を赤くしてた」

「そうかな?
でも私はアヤしか好きじゃないよ?
確かに善くんや京滋くんのことも好きだけど、それはあくまでも友達としてだし。
アヤのことは、大好きってゆうか…んー、表現しづらいな……
あ!結婚したいくらい大好……あ…///////」

そこまで力説していると、いつの間にか絢世の顔が間近に近づいていた。

「ほら、続き言ってよ。
僕のこと結婚したいくらい、何?」

「あ…//////」
(顔ち、近いぃ///////)

間近にある綺麗な顔と、香水の香り、そして色っぽい視線。
藤乃の心臓は、痛いくらいにバクバクしている。

「フジ、続き聞きたい」

「結婚、したいくらい…好…き…//////」

「フジ、僕と結婚したいんだ?」

「う、うん//////」

「フフ…僕も。
僕もフジと結婚したい」

「ほ、ほんと?」

「うん、大学卒業したら、結婚しような…!」

「うん//////」

嬉しそうに笑う藤乃。
そんな藤乃が可愛くて、絢世は我慢出来なくなりそのままキスをした。

「……ん!??
…………アヤ!!//////ダメだよ!」

人が行き交う街中でキスをされ、抗議する藤乃。

「だって、我慢出来なかったから」

平然とそう言って絢世は、藤乃の手を取り歩き出した。



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