クール王子は愛したがり
藤乃は“絢世になら”束縛されてもいいと思っている。


琳子と京滋と別れ、午後の講義を受けそのまま大学のカフェで絢世が来るのを待っている藤乃。

絢世はまだ講義を受けているので、来るまでいつも課題をしたり、小説を読んだりして静かに過ごしている。

今日は課題は終わっているので、小説を読みながらジュースを飲んでいた藤乃。
しばらく集中して読み、一息つくように伸びをした。

ジュースを一口飲む。

今の時間はあまり人がいないので、静かで穏やかに過ごせる。
藤乃にとって、素敵な時間だ。

しかし………
(ね、眠くなってきた…帰って寝たい…
でも先に帰ったら、アヤ怒るしなぁ…)

基本的には、絢世の方が早く終わる。
でも週に一回だけ、藤乃が早く大学が終わることがある。
今日がまさにその日なのだが、こうゆう時、先に帰ったり、藤乃がS大に迎えに行くことを絢世は嫌う。

『一緒に帰れないなんて、寂しいじゃん…
あと、S大でナンパされたらどうするの?
フジ、かわせる?
出来ないでしょ?』

『………だからダメ!』と――――――

あくびをしながら待っていると、店内がざわついてくる。
出入り口を見ると、絢世が店内に入ろうとしていた。

「あ…!!」
ふわりと微笑み、藤乃がテーブルの上を片付け始めた。

そして絢世の方に向かおうとする。

絢世は、店内の学生達に注目されていた。
“カッコいい”や“綺麗”など、見惚れられている。

藤乃のことを知っている人は「姫丘さん羨ましい…!」と言っている。

「………」
(そうだよね//////
私も第三者なら、同じこと思うもん…!)

絢世が店内を見渡し、藤乃を探している。
そして、藤乃を見つけるとふわりと微笑んだ。

「フジ!」

「……//////」

その笑顔に藤乃だけでなく、周りの学生達も見惚れ「キャー!」と黄色い声を上げている。





私は“アヤになら”束縛されてもいいと思っている。

だって………

束縛される分、私もアヤのこと“独り占め出来るから……!”




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