クール王子は愛したがり
善くんと二人でランチなんて、アヤが怒るに決まってる。

「ねぇ、行こ?」

「あ、でも…」

「あぁ、あーちゃんのこと?
あーちゃん、嫉妬深いからなぁ〜」

「………うん…」

「でも、腹減ったし!
行こ?
あーちゃんには、俺に“無理矢理誘われた”って言えばいいよ」

そう言われて、結局断りきれなくて一緒に駅ビルの中にある喫茶店に入った。


食事をしながら、善くんが“リン、元気してる?”と聞いてきた。

「うん。
でも、今ちょっと…」

「ん?」

「善くんも知ってる通り、京滋くんって博愛者ってゆうか…“誰にでも優しくて、嫌いな人なんていない”ような人でしょ?
琳ちゃんも縛りつけられるのは嫌いだから、二人は合ってると思うんだけど……」

「だけど?」

「それでも琳ちゃん、寂しがり屋でもあるから…」

「そうだな(笑)
リンって、すっごく良い奴だけど、自己中だもんな(笑)」

私が笑うと、善くんも笑って「そうゆう意味では、あいつとは合わないよな」と言った。

「私は……
やっぱり、琳ちゃんには善くんがお似合いだと思う!
もちろん、二人の気持ちが一番大事だけど…」

「フフ…」

微笑み合って、私はコーヒーを一口飲んで「………でも、難しいね…恋愛って…」と呟いた。

「私は、アヤとの気持ちが通じ合う事が出来てる。
…………時々思うの…」

「ん?」

「それって、奇跡みたいだなって…」

「藤ちゃん…」

「だって、アヤみたいな素敵な人と私なんかが付き合えてるなんて、普通考えられないもん…
琳ちゃんと善くんがいたから、私はアヤに出逢えた!
ありがとう…!」

「フフ…
まさか、感謝されるなんて思わなかったな!
こっちこそ、ありがとう(笑)」
善くんが、ふわりと微笑んだ。


ランチを終え、善くんが大学まで送ってくれた。

そして、またふわりと微笑んで言った。

「あのさ!
藤ちゃんも十分素敵だからね?」

「え?」

「藤ちゃん、前からよく“私なんかが”って言ってるけどさ。
藤ちゃんのどこが“私なんか”なの?
藤ちゃんは、スゲー良い女だよ?
あの他人に興味がないあーちゃんが、溺愛してのめり込む程の!」

そう言って微笑んだ、善くん。
とても綺麗な笑顔だった。



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