クール王子は愛したがり
絢世がシャワーを浴びている間、藤乃はコーヒーを飲みながらリビングでレポートを作成していた。

しばらくして絢世が戻ってくる。
短パン姿で、首にタオルをかけている絢世。
冷蔵庫に行き、ミネラルウォーターを飲みながらリビングの藤乃の所へ向かう。

隣に座って、作業中の藤乃を見つめた。

集中してレポート作成を行っている藤乃と、ジッと見つめる絢世。
穏やかで、静かな時間が流れていた。

少しして、一息つこうと藤乃が伸びをする。
すると絢世が待ってましたといわんばかりに、藤乃を腕の中に閉じ込めるように抱き締めた。

「んんっ…//////」

「………」

「アヤ、服着て?」

「暑い」

「……//////」
絢世から石鹸の香りがして、なんだかドキドキしてくる。

「………」

「……//////」

「………」

「……//////」

しばらく無言で抱き締められて、ゆっくり頭を撫でられた。

藤乃はこの穏やかな時間が好きだ。

(………でも…
アヤ、裸…//////服着てぇ…///////)
恥ずかしくて、絢世の腕の中でもがく藤乃。

すると絢世が「フフ…」と身をよじって笑い出した。

「え?」

「くすぐったい!」

「あ…ごめん…(笑)
じゃあ、服着て?」

「もう少し待って」

「アヤ、実家でもこうだったの?」

「うん。
基本、短一(短パン一枚)」

「そっか…(笑)」

「父さんと二人暮らしだったし、父さんも短一だったから」

「そうなんだ(笑)」
(てことは、お互い短パン姿でご飯とか食べてたってことだよね?
なんか、シュールだな…(笑))

絢世は母親を幼い頃に亡くし、父子家庭で育った。
絢世の父親も、びっくりする程にイケメン。
亡くなった妻(絢世の母親)を今でも愛していて、再婚はおろか恋人も作らず、今は一人で生活している。

(高校の卒業式で初めて会ったけど、二人並ぶとなんかの撮影みたいにオーラ凄かったなぁ…(笑))

卒業式のことを思い出し、クスクス笑っていると不意にキスをされた。

「……っえ…?//////」

「フジ、笑顔可愛い。
…………可愛すぎて、我慢出来ない」

「……//////」
(またそんなことをサラッと言うんだから……///////)

藤乃は、照れたように笑っていた。



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