クール王子は愛したがり
マンションに帰り着き、フジをソファに座らせて俺はフジの両手を取った。

「フジ、ここには奴はいない。
本心を聞かせて?」

「………」

「僕は、正直信じられない。
あんなに過保護なフジのお母さんに、男が出来るなんて」

するとフジの目が潤んで、涙が溢れてきた。

「フジ?」
涙を拭い、頭を撫でた。

他人に興味がない俺でも、フジが泣いてるとやっぱり辛い。
俺も自然と、悲しくなる。

「私…」

「うん、大丈夫だから言って?」

「正直、わからない。
お母さんが選んだ人なら、応援したいと思う。
…………でも、矛盾してて…
お母さんを……取られたくないって気持ちもある…」

「そっか」

「今日会った時、お母さん、とっても幸せそうだった…」

「うん」

「お父さんが亡くなってから、あんな幸せそうなお母さん見たの初めて。
だから………」

「受け入れたいってこと?」

フジがゆっくり頷く。
しかし、涙は止まらない。

「もう少し、ゆっくり考えてみたらどうかな?
すぐに答えを出さなくていい。
ちゃんと考えて、ちゃんとお母さんと話し合わないと…!」

「うん」

「どっちにしても、僕はフジの味方だからね…!」

フジに微笑むと、フジもやっと笑ってくれた。

その後、お母さんに俺との結婚を考えていることを話したと報告してくれたフジ。

「そっか!お母さん、なんて?」

「澤仲さんがいるからってのもあるかもだけど、思ったより快く受け入れてくれた(笑)
ほら!同棲する話は、説得するのにかなり時間かかったでしょ?
それもあって、早めに今日伝えたんだけど」

「フフ…そっか(笑)」

「アヤにも、何回もお母さんに会ってもらったよね(笑)」

クスクス笑うフジが可愛い。

キスしたい……!

俺はフジに顔を寄せた。
すると、いつもフジの顔が赤くなってくる。
そして目が潤んでくる。

俺からすれば、もうこれは煽ってるとしか見えない。

だからいつも俺は、抑えきれなくて食らいつくみたいにフジの口を奪ってしまうんだ。

「フジ、絶対結婚しようね…!」




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