クール王子は愛したがり
夏休みに入り………


藤乃が郁乃と田舎の祖母の所に行き、二日だけ二人は別々に過ごしていた。

今日は絢世も父親の所に顔だけ出しに来ていて、 二人揃って短パン姿で、ソファに並んで座り煙草を吸っている。

「藤乃ちゃんは元気にしてる?」

「うん。
あ、父さん」

「ん?」

「大学卒業したら、すぐにフジと結婚するから」

「うん、いいよ。
………てか、反対する理由はないけどな(笑)
大学卒業したら、俺のところで働くんだろ?」

「うん」

絢世の父親が会社経営者だ。
大学卒業後は、絢世も父親の会社で働く予定でいる。

「………お前も、家庭を持つんだな!
母さんもきっと喜んでるだろうな!」

しみじみと浸るように言う父親を見つめ、絢世が切り出した。
「………ねぇ」

「んー?」

「父さんは、再婚したいとか思ったことないの?」

「ない」

「そっか」

「は?お前、母さんほしいの?」

「いらない。
フジのお母さんがいるし」

「じゃあ、なんで聞くんだ?」

「フジのお母さん、今彼氏がいるらしくて」

「うん、いいじゃんか」

「………うん」

「は、何?ダメなの?」

「別に」

「俺は母さん以外の人間は興味がないだけで、俺だって父親であるのと同時に“男だぞ?”
藤乃ちゃんのお袋さんも“女だ”
子どもがいようが、恋をすることもある」

「………そう…だよな…」

「でも、一つ違うことがある」

「え?」

「再婚するなら“子どもの思いを最優先すべきだ”」

「………」

「ただの独身なら、自分の意思で決められる。
でも、子どもがいる場合はそうゆうわけにはいかない。
それが“子どもを持つという責任だ”
俺が藤乃ちゃんの親なら、藤乃ちゃんが認めない再婚はしない」

「そっか」

「再婚しなくても、好きな人とは一緒にいられる」

「………うん」

父親の力強い言葉に、絢世は大きく頷いた。


「………でも父さん」

「んー?」

「短一で言っても、あんまカッコ良くないな…(笑)」

「は?
別にカッコつけたわけじゃねぇよ!(笑)」

二人は微笑み合っていた。



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