クール王子は愛したがり
Ⅶ
夏休みに入り………


藤乃が郁乃と田舎の祖母の所に行き、二日だけ二人は別々に過ごしていた。

今日は絢世も父親の所に顔だけ出しに来ていて、 二人揃って短パン姿で、ソファに並んで座り煙草を吸っている。

「藤乃ちゃんは元気にしてる?」

「うん。
あ、父さん」

「ん?」

「大学卒業したら、すぐにフジと結婚するから」

「うん、いいよ。
………てか、反対する理由はないけどな(笑)
大学卒業したら、俺のところで働くんだろ?」

「うん」

絢世の父親が会社経営者だ。
大学卒業後は、絢世も父親の会社で働く予定でいる。

「………お前も、家庭を持つんだな!
母さんもきっと喜んでるだろうな!」

しみじみと浸るように言う父親を見つめ、絢世が切り出した。
「………ねぇ」

「んー?」

「父さんは、再婚したいとか思ったことないの?」

「ない」

「そっか」

「は?お前、母さんほしいの?」

「いらない。
フジのお母さんがいるし」

「じゃあ、なんで聞くんだ?」

「フジのお母さん、今彼氏がいるらしくて」

「うん、いいじゃんか」

「………うん」

「は、何?ダメなの?」

「別に」

「俺は母さん以外の人間は興味がないだけで、俺だって父親であるのと同時に“男だぞ?”
藤乃ちゃんのお袋さんも“女だ”
子どもがいようが、恋をすることもある」

「………そう…だよな…」

「でも、一つ違うことがある」

「え?」

「再婚するなら“子どもの思いを最優先すべきだ”」

「………」

「ただの独身なら、自分の意思で決められる。
でも、子どもがいる場合はそうゆうわけにはいかない。
それが“子どもを持つという責任だ”
俺が藤乃ちゃんの親なら、藤乃ちゃんが認めない再婚はしない」

「そっか」

「再婚しなくても、好きな人とは一緒にいられる」

「………うん」

父親の力強い言葉に、絢世は大きく頷いた。


「………でも父さん」

「んー?」

「短一で言っても、あんまカッコ良くないな…(笑)」

「は?
別にカッコつけたわけじゃねぇよ!(笑)」

二人は微笑み合っていた。



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