クール王子は愛したがり
「――――再婚?」

一方の藤乃。
藤乃の祖母(郁乃の実母)の所に帰省している、藤乃と郁乃。

藤乃は今、近くのスーパーに買い物に出ていて、その間に郁乃は母親に澤仲と再婚したい旨を話していた。

「藤乃は?」

「え?」

「藤乃は何て言ってるの?」

「まだ、再婚のことは話してないわ。
もちろん、付き合っていることは知ってるけど…」

「まずは、藤乃でしょ?
あの子が何ていうかよ。
郁乃、私はあなたの決めたことに反対はしない。
………でも藤乃が傷つくなら、反対よ」


そして、その帰り―――――

「ふーちゃん、何か食べて帰ろ?
何食べたい?」

「うーん…
暑いし、さっぱりしたのがいいかな…
お母さんは?」

「そうね…!
………あ!鰻は?」

「え?いいの?(笑)」

「えぇ!
特上をご馳走するわよ!」

「フフ…やった!」

半個室の鰻店で、特上の鰻丼を食べる。
「………ん!美味しい…!!」

「フフ…良かった!」

満面の笑みの藤乃に、郁乃も嬉しそうに笑う。

そして……一度、ゆっくり息を吐いて藤乃を見据えた。
「ふーちゃん」

「え?
ん?何?」

「澤仲さんのこと、どう思ってる?」

「………え…?」

「ふーちゃんの正直な気持ち、聞きたい」

「とっても、素敵な人だと思うよ」

「うん、良かった」

「それに……」

「ん?」

「澤仲さんといる時のお母さん、とっても幸せそうだし!」

「うん」

「あんなお母さん、久しぶりに見た…」

「あ…そうよね(笑)」

「…………
………お母さん」

微笑む郁乃に、今度は藤乃が見据えてくる。

「ん?」

「再婚…とか、するつもりなの?
………澤仲さんと」

「え?」

「そうゆうこと、考えたりしてる?」

まさか、藤乃の方から切り出されるとは思っておらず、郁乃は動揺してしまう。

それを見て、藤乃は“再婚するんだ”と悟る。

そして………


「私、お母さんが幸せなら……
受け入れるからね……!」


そう言って、藤乃は微笑んだ。



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