生真面目秘書だった彼がハイスペ副社長になって滾る執愛を刻み込んできます
 部屋の中には光輝がいる。彼は本当に勘が鋭いのだ。
 理彩子の異変には、すぐさま気がつく。気をつけなければ。

 理彩子はつい昨夜、両親に言われたことを思い出してため息をかみ殺す。そして、心の底に淀んでいる感情を抑えつけた。

 KASHIWA雑貨は理彩子の父が設立したのだが、会社設立の理由があまりにいただけない。

 両親が溺愛する娘、理彩子の義妹である香梨奈を帰国させるためというのだから、頭が痛くなる。
 香梨奈は大学卒業後『私は国内で燻るような女じゃないわ』という言葉を残し、海外へ行ってしまったのだ。

 しかし、香梨奈を手もとに置いておきたいと両親は悩みに悩み抜いた。どうしたら愛娘が日本に戻るのか、と。

 そこで導き出されたのは、香梨奈のために会社を設立させようというなんとも親バカがすぎる方法だった。

 とはいえ、香梨奈はなにをやらせてもできる人だ。勉強はもちろん、あらゆるスポーツだってこなせてしまう。
 見た目も庇護欲をそそるので、皆が彼女に手を差し伸べる。だからこそ、香梨奈は今までの人生で困った経験などないはずだ。

 
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