クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
(……やっぱり、好きだな)
入社当時の自分には想像もつかなかった。
あの「なんとなく怖そうな先輩」が、自分の前でこんなにも不器用な顔を見せてくれるようになるなんて。
でも——安心したのも束の間だった。
(……先輩は、どう思ってるんだろう)
休みの間ずっと堂々巡りしていた問いが、またひっそりと顔を出す。
「りんりん」と呼んでくれる。耳が赤くなる。それだけで十分な気もするのに、もっと確かなものが欲しくなっている自分がいる。
知れば知るほど、好きが重くなっていく。
私はキーボードに指を置いたまま、冷たくなった指先をもう片方の手でそっと包んだ。
入社当時の自分には想像もつかなかった。
あの「なんとなく怖そうな先輩」が、自分の前でこんなにも不器用な顔を見せてくれるようになるなんて。
でも——安心したのも束の間だった。
(……先輩は、どう思ってるんだろう)
休みの間ずっと堂々巡りしていた問いが、またひっそりと顔を出す。
「りんりん」と呼んでくれる。耳が赤くなる。それだけで十分な気もするのに、もっと確かなものが欲しくなっている自分がいる。
知れば知るほど、好きが重くなっていく。
私はキーボードに指を置いたまま、冷たくなった指先をもう片方の手でそっと包んだ。