クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
「……あ、それ。ずっと気にしてたんですね? 先輩、真面目すぎますよ。いいですよ! でも…プロジェクトも終わってるし、今さら二人で会議室にこもったりしたら周りに『あの二人、何の話してるの?』って、変に勘ぐられちゃいますよ。私、変な噂立てられるの困ります〜」
「あ……いや、それは……」
言葉に詰まる先輩に、私は明るい調子で続ける。
「会議室じゃなくて、外で美味しいご飯奢ってください! その方が、私も変に気を遣わなくて済みますし」
「そ、外でか? それはちょっと…」
先輩の声が、露骨に揺れる。
……たぶん先輩は今、
「セクハラをしてしまった上司が、その相手と二人きりで外で食事なんてあり得ない」
みたいに真面目に考えてしまってるんだろう。
その不器用なくらい誠実な反応が、少しだけおかしくて。
……でも同時に、胸がきゅっとなるくらい先輩らしくて、私はわざと困ったような顔をして言った。
「……だって会議室だと、業務連絡みたいになっちゃうじゃないですか。私、そんな堅苦しい感じで謝られるの嫌なんです」
「いや、しかし……」
「……それとも先輩、私と二人でご飯行くの嫌…ですか?」
ほんの少しだけ拗ねたように言うと、先輩は目を見開いて言葉に詰まった。
「……そ、そういう意味じゃ…ない」
その返事を聞いた瞬間、胸の奥がふっと軽くなる。
つられるように、自然と笑みがこぼれた。
「……なら、よかったです」
それから、少しだけ距離を縮めるみたいに、柔らかい声で続ける。
「あ……いや、それは……」
言葉に詰まる先輩に、私は明るい調子で続ける。
「会議室じゃなくて、外で美味しいご飯奢ってください! その方が、私も変に気を遣わなくて済みますし」
「そ、外でか? それはちょっと…」
先輩の声が、露骨に揺れる。
……たぶん先輩は今、
「セクハラをしてしまった上司が、その相手と二人きりで外で食事なんてあり得ない」
みたいに真面目に考えてしまってるんだろう。
その不器用なくらい誠実な反応が、少しだけおかしくて。
……でも同時に、胸がきゅっとなるくらい先輩らしくて、私はわざと困ったような顔をして言った。
「……だって会議室だと、業務連絡みたいになっちゃうじゃないですか。私、そんな堅苦しい感じで謝られるの嫌なんです」
「いや、しかし……」
「……それとも先輩、私と二人でご飯行くの嫌…ですか?」
ほんの少しだけ拗ねたように言うと、先輩は目を見開いて言葉に詰まった。
「……そ、そういう意味じゃ…ない」
その返事を聞いた瞬間、胸の奥がふっと軽くなる。
つられるように、自然と笑みがこぼれた。
「……なら、よかったです」
それから、少しだけ距離を縮めるみたいに、柔らかい声で続ける。