クールで無口な先輩、実は天然で優しすぎる。――新人の私がその距離をゼロにするまでの600日
「会議室で向かい合って謝られるより、外でご飯食べながら普通に話したいです。……私、先輩とそういう時間、ちゃんと取ったことないですし」
そこまで言ってから、わざと少しだけ明るく笑ってみせる。
「……あ、でもせっかくなら美味しいものがいいです! ちょうどお腹空いてましたし」
先輩はしばらく視線を彷徨わせ、何かを必死に考えるように黙り込んでいたけれど、やがて深く息を吐いて小さく頷いた。
「……わ、分かった。じゃあ……外で」
「ありがとうございます! じゃあお店は私が決めちゃいますね。美味しいもの、たくさん食べさせてもらいますからねっ」
いつもの調子で明るく笑ってみせると、先輩の肩の力がふっと抜けるのが分かった。
「……ああ。……手加減してくれ」
「決まりですね! でも、一緒に社内を出ると目立ちますよね。19時半に◯◯駅の南口改札の前待ち合わせでどうですか?」
「◯◯駅南口か……分かった」
そう言って先に給湯室を後にする先輩の背中を見送りながら、私は深く長い息を吐き出した。
(ふぅ…良かった、上手くいった……)
気づけば少し震えていた指先をぎゅっと握りしめる。
(……このチャンス、絶対に無駄にしない。先輩が守ろうとしている壁を、私のわがままで壊してみせる)
そこまで言ってから、わざと少しだけ明るく笑ってみせる。
「……あ、でもせっかくなら美味しいものがいいです! ちょうどお腹空いてましたし」
先輩はしばらく視線を彷徨わせ、何かを必死に考えるように黙り込んでいたけれど、やがて深く息を吐いて小さく頷いた。
「……わ、分かった。じゃあ……外で」
「ありがとうございます! じゃあお店は私が決めちゃいますね。美味しいもの、たくさん食べさせてもらいますからねっ」
いつもの調子で明るく笑ってみせると、先輩の肩の力がふっと抜けるのが分かった。
「……ああ。……手加減してくれ」
「決まりですね! でも、一緒に社内を出ると目立ちますよね。19時半に◯◯駅の南口改札の前待ち合わせでどうですか?」
「◯◯駅南口か……分かった」
そう言って先に給湯室を後にする先輩の背中を見送りながら、私は深く長い息を吐き出した。
(ふぅ…良かった、上手くいった……)
気づけば少し震えていた指先をぎゅっと握りしめる。
(……このチャンス、絶対に無駄にしない。先輩が守ろうとしている壁を、私のわがままで壊してみせる)