契約恋人のはずでしたが社長に溺愛されて離してもらえません
当然のように言われる。

「秘書としての業務ですので、問題ありません」

そう返すと、社長は一瞬だけ目を細めた。

「問題があるかどうかは、俺が判断する」

「ですが——」

「無理をしているのは見ればわかる」

言葉を重ねる余地がない。

「今日は会食の前に一度戻れ」

「戻る、とは」

「休憩だ」

「必要ありません」

反射的に言ってしまう。

「ある」

即座に返される。

「……社長」

「清水」

名前を呼ばれ、言葉が止まる。

「おまえは優先順位を間違えるな」

静かな声。

「仕事より先に、自分の状態を整えろ」

その言葉に、胸が小さく揺れる。

「……それは、社長の指示ですか?」

「そうだ」

これはただの契約。そう思うのに——。

彼の行動は、確実に“それ以上”だった。
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