黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
横領の罪を私になすりつけられた時点で、彼女にとって私はそれだけの人間だったのだと理解していた。
それでもこの、私を貶める多くの投稿はショックが大きかった。

さっさと閉じてアプリを削除してしまえばいいのに、取り憑かれたかのように篠木さんの投稿を追っていた。

【いい子ムーブかましてきて、ウザい】

【自分がいい大学出てるからって、マウント取らないでほしいわー】

【化粧もまともにできない芋のくせに、彼氏とか生意気。
アイツも見る目、ないわー】

誰とは名指しされていないが、すぐに私のことだとぴんときた。
確かに私は国立大出だが、一度だってそれを鼻にかけたことはない。
事務しかできない、他に価値のない人間だと思っていたくらいだ。

「こんなふうに思われてたんだ」

心がパキパキと罅割れていく音がする。
やめればいいのにスクロールする指は止まらない。

もしかしたら気づかないうちに態度の端々から彼女をバカにするような空気が出ていたのかもしれない。
だからあんなに憎まれていたのかも。

だんだんと自分の形が曖昧になり、自分自身に疑心暗鬼になっていく。
――そしてとうとう。

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