黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
少し悩んで自分のアカウントでログインした。

「とりあえず、時間は潰せそう」

途中までだったドラマの続きから観る。
手料理は……晴貴さんが帰ってきてから相談、だな。



夜も比較的に早い時間に晴貴さんが帰ってきた。

「ただいまー」

「おかえりな、さい」

ドアの開いた音がして玄関まで出迎えたが、なんとなく気恥ずかしい。

「ただいま、夏初」

ごく自然に晴貴さんの唇が重なった。

「えっ、あっ」

「ただいまのキスくらい、するだろ」

戸惑う私の背を押し中へと促すが、そんな当たり前のようにされても困る。

「これ。
取り返してきた」

リビングへ行き、彼が私の手を取ってのせたのは会社に取り上げられた携帯だった。

「ありがとうございます……!」

大事に携帯を抱きしめる。
これが返ってきただけで安心感が全然、違った。

「私物も引き上げてこようと思ったけど、急でまだ準備できてないって言われたんだ。
ごめん」

申し訳なさそうに彼は謝ってくれたが、悪いのは彼ではない。
それに携帯さえ返してもらえれば、あとのものはどうなっても問題ない。

「ううん、これだけで十分です」

< 117 / 287 >

この作品をシェア

pagetop