黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
納得してくれたのだとほっとし、流しながらとんでもないことを彼が言っているのに気づいた。
おかげで間抜けな声を出し、穴があくほど彼の顔を凝視していた。

「えっと今、うちの両親に挨拶に行くって言いましたか」

「言ったな」

「しかも次の仕事が決まる前に」

「ああ」

彼はなにかおかしいのかと言ったふうだが、ツッコみどころが満載だ。

「そうだ、忘れていた」

思い出したかのように彼が顔を上げ、いかに早急に話を進めようとしているのか気づいてくれたのかと期待したものの。

「夏初のご両親の都合を聞いておいてくれ。
アポなしで突然、お伺いするわけにはいかないからな」

「ああ、うん、そぅ、ですね……」

彼がこれで万事解決だというふうににぱっと笑い、結婚に向かって暴走している彼を止めるのは至難の業なのだと遠い目になった……
携帯会社はとりあえず妥協することにした。
晴貴さんからよっぽどのことがなければ彼の事務所での採用はもう決まっているし、お給料も今までよりかなりよくなると聞いたのもある。

機種を選ぶ段階でまた揉めた。

「えっ、こっちにしなよ」

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