黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
私を抱きしめる、晴貴さんの声は優しい。
ゆっくりと背中を撫でる手に呼吸をあわせると、そのうち楽になってきた。

「僕が帰ってきてからも着信があった。
もしかして何度もかかってきたんじゃないか」

ぎゅっと彼の手を掴み、俯いたまま黙ってひとつ頷く。

「携帯、見ても?」

躊躇したのは一瞬で、すぐにいいとまた頷いた。

「ありがとう」

たぶん、携帯を取りに彼が寝室を出ていく。
ほんの僅かな間、ひとりになっただけで心細くて自分の肩を抱いていた。

「ロック、解除してもらっていいか」

戻ってきた晴貴さんから携帯を差し出され、無言でロックを解除する。

「ありがとう。
着信履歴と、メッセージの履歴も見せてもらっていいか。
もちろん、メッセージは会社とのやりとりしか見ない」

私が頷き、彼は携帯を操作しはじめた。

「一時間おきに着信、メッセージも……」

その瞬間、また携帯がメッセージの着信を告げ、身体が大きく震える。

「大丈夫、僕がもうなにもさせない」

私の耳を塞ぐように彼に抱きしめられ、少しだけ安心できた。

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