黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「はぁ……?」

興奮気味に所長から高評価されても、自分のことだとはにわかには信じられない。

「なんでこの子はこんなに、自己肯定感が低いんだ?
あんな会社にいたせいか?」

「あー、それもありますが夜桜さんは少々、天然なところがあるので……」

またふたりは私をちらちらと見ながらこそこそと話し出した。
晴貴さんの口から私は天然とか出てきた気がするが、スルーしておこう。

「では、雇用条件を説明しますね」

所長が改まり、私に書類を渡してくる。

「あの」

「こちらとしては夜桜さんを採用したいと思います。
条件があえばぜひ、うちで働いていただきたい」

「ありがとうございます!」

所長がにっこりと笑った瞬間、立ち上がって勢いよく頭を下げていた。

「いえいえ。
夜桜さんのご希望に添えればいいんですが」

「どんな条件でも大丈夫です!」

雇ってもらえるなら別になんだってかまわない。
私はそんな気持ちだったが。

「夏初」

晴貴さんに厳しい声で名を呼ばれ、背筋が伸びる。

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