黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
なんかそれが、いいなって思う。

「ん、美味しい。
こういうシンプルなのもいいね」

ハンバーグをひとくち食べ、彼が満面の笑みになる。

「お口にあってよかったです」

その笑顔が眩しくて、目を伏せてサラダを口に運んだ。
今日の晩ごはんはハンバーグと簡単なサラダ、レタスとベーコンのスープとご飯だ。

「初日はどうだった?
僕も事務所にいられたらよかったけど、忙しくてごめんね」

申し訳なさそうに謝られ、ぶんぶんと首を横に振る。

「いえ。
斉藤さんも事務所の方もよくしてくださいました。
まだ仕事もあるのに、今日は初日で疲れただろうからって定時で帰してくださって」

コピー用紙の補充もシュレッダーの掃除も、気づいた人がやるとか新鮮すぎて驚いた。
しかも事務員ならわかるが、弁護士先生もやっている。

お茶当番も当然なく、飲みたい人が自分で淹れる。
来客時のお茶出しや片付けだって担当した人がやっていた。

前の会社とのギャップが大きすぎて風邪を引かないか心配になったくらいだ。

「なら、よかった。
慣れてきたらガンガン仕事振るから、よろしく」

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