黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
しかし彼の言うとおり、横領の疑惑がつきまとう限り、私の印象は悪くなる。

「きっちり夏初の罪を晴らそう」

彼がうんと力強く頷き、目頭が熱を持つ。
鼻の奥がつんと痛み、慌てて目尻を拭った。

「よろしくお願いします」

精一杯の気持ちで頭を下げる。
彼に任せておけばすべて大丈夫だと思えた。



新しい職場も三日も経つと少しずつ慣れてくる。

「この資料は誰が作ったんだ」

唐突に事務のドアが開き、晴貴さんが入ってきて緊張が走った。

「わ、私ですが……」

おずおずと手を上げて立ち上がる。
数字をまとめるだけの簡単な資料作りを任されたのだが、なにか不備があったんだろうか。

「パーフェクト」

「すみません、すみません。
間違いがあったのなら直します」

真顔で見下ろされ、反射的にぺこぺこ頭を下げて謝る。

「えっ、褒めてるのになんで謝るんだ?」

「へっ?」

困惑気味な彼の声が聞こえ、おそるおそる顔を上げた。

「パーフェクト。
僕が求めるもの、そのものだ」

晴貴さんがにっこりと笑い、なぜか周囲がざわめいた。

「あ、ありがとうございます」

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