黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「えっ、あの、陽川先生はいつも、にこにこ笑ってますけど……?」

私の前ではよく笑う彼が、笑顔がレアなんていうほうが私には信じられない。

再び、事務所中がざわめきだす。

「あの陽川先生がにこにこだと……?」

「ありえない、絶対にありえない」

ここまで疑われるとは酷いが、そんなに晴貴さんは笑わないんだろうか。

「まあ、夜桜さんは特別なんでしょ」

呆れるように斉藤さんが小さく笑う。
事務所ではすでに私が晴貴さんと付き合っているとうっすら周知されていた。

「あの人、いろいろ大変だけどよろしくね」

「夜桜さんならうまくいきそうな気がするし」

「は、はぁ……?」

慰めるように肩を叩かれ、笑顔が引き攣った。



今日も先に帰り、夕飯を作って晴貴さんを待つ。

「ただいまー」

「おかえりなさい」

今日も帰ってきた晴貴さんからキスされる。
部屋に鞄を置いて戻ってきた彼と食卓を囲み、夕飯を食べた。

「晴貴さんって事務所で、笑わないって思われてるんですね」

「あー……」

長く発し、彼が止まる。

「……確かにあまり、笑わないかもね」

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