黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
先輩秘書の斉藤(さいとう)さんがいろいろ教えてくれる。
彼女はもちろん、別の弁護士の秘書だ。
スーツが似合う、キリッとしたいかにもできる秘書という感じで憧れる。
仕事もてきぱきとしていて、いつかああなりたいと目標ができた。

「じゃあ、ここまでお願いできるかな。
わからないことがあったらなんでも聞いて。
ちょっと多いから大変だとは思うけど」

積まれた書類の山を見て斉藤さんが苦笑いする。

「はい」

晴貴さんは前に秘書が辞めて忙しいとこぼしていたが、本当にそのとおりのようで仕事がかなり溜まっている。

「よしっ、やるぞ」

小さく呟いて気合いを入れ、入力を始めた。

「げっ、コピー用紙、切れてる」

「あっ、はい!
やります!」

入力をしていると男性の声が聞こえ、反射的に立ち上がっていた。

「夜桜さん」

「はい?」

しかし、コピー機の元へ行こうとした私の前に、斉藤さんが立ち塞がる。

「夜桜さんはそんなこと、しなくていいの。
というか、コピー用紙が切れたら、使う人が補充すればいいの。
それくらいできますよね、栗下(くりした)先生?
そういうことはここでは各自ですることなので」

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