黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「……ところで」

眼鏡の向こうで目を細め、僅かに微笑んで彼が私を見る。

「僕は君に興味があるんですが、よろしければふたりで抜けませんか。
……って、これじゃまるで鹿野谷と同じだな」

困ったように笑う彼に心臓が撃ち抜かれた……気がした。

それに今までの様子から演技でなければ彼は誠実な人間なんだろうとわかる。
少なくとも恥ずかしそうに下心まで告白してくる彼は、演技をしているように見えなかった。

「いいですよ」

承知したのは私も彼に興味が出たからだ。
あと、彼とだったらそういう関係になってもいいかもと思っていた。


一応、篠木さんに断って会場を出る。

『へえ。
意外とやるじゃん』

そう言って少し離れたところで待つ陽川さんを値踏みする目に不快感を覚えたが、気づかないフリをした。

「誘っておいてなんですが、どこ、行きます?」

エレベーターの中で陽川さんが聞いてくる。

「仕事柄、付き合いでいろんなお店に行くので好みにあうところへご案内できると思います」

それは口コミを頼りに探さなくていいので、ハズレがなさそうでいいかも。

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