黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
私に尋ねられた途端、三人が同時にため息をつくので、身体がびくりと震えた。

「夜桜さん」

「は、はい」

呆れるように斉藤さんから名を呼ばれ、早速なにかやらかしたのかとさらに怯える。

「そういうのはもういいの。
休み時間はちゃんと休む。
終わらない仕事はみんなで手分けしてやる。
あれもあとで手の空いた人が手伝うから大丈夫」

そのとおりだと目の前のふたりも頷いているが、私にはちょっと理解ができない。

「陽川先生から夜桜さんは元ブラック勤務だから気をつけてやってくれとは頼まれたけど、本当だったのね」

三人が私を同情するような目で見ていて、いたたまれなくなる。

「うちの事務所は完全にホワイトだから。
今までのような苦労はもう、しないでいいからね」

「はい……」

私としてはずっと昭和臭はするが普通の会社だと思っていたが、ようやくあの会社がブラックだったのだと知った。

食事をしながら事務所のことを教えてくれる。

「外部の先生、特に大御所先生は癖強な人も多いけど、常駐の先生はだいたい普通ね」

「そうそう。
いらっしゃったときに紹介するけど、ほんと変わった人が多いのよー。
さすが、歴戦の猛者って感じ」

< 150 / 287 >

この作品をシェア

pagetop