黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
おかしそうに先輩方は笑っているが、そこはあわせていいのか悩む。

「常駐の若手三人は、今はまだ見習いみたいなもんね。
まあ、みんな基本、いい人だから大丈夫だけど、ひとりだけ」

「……憲吾(けんご)先生には気をつけて」

顔を突きあわせ、抑えた声で注意がされる。
〝憲吾先生〟とは以前、私を口説いてきた鹿野谷さんのことだ。
所長も息子も鹿野谷だから区別して名前で、憲吾先生と呼ばれている。

「憲吾先生はそう、……頭のいいバカなのよ」

「……ハイ?」

〝頭のいい〟と〝バカ〟と正反対な言葉がくっついていて、意味がわからず頭のなかにでっかいクエスチョンマークが浮かんできた。

「うまい!
確かに頭のいいバカだわ」

ケラケラとおかしそうに笑っている三人を、あっけにとられて見ていた。

「弁護士なんてしてるくらいだから、勉強は凄くできるのよ。
でもなんというか常識がないっていうか」

「まあぶっちゃけると性格が悪い」

あまりにもぶっちゃけすぎではあるが、言われる意味はわかる。
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