黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
私に拒まれたのがショックなのか彼は少し泣きそうで胸が痛いが、心を鬼にする。

「ごはんの前にお話があります」

「え、もしかして別れ話?」

私があまりにも真剣だから彼は最悪な話を想定しているようだ。
まあ、返事如何によってはその可能性も出てくるけれど。

促してソファーに座る。
晴貴さんも戸惑いながら隣に座ってくれた。

「今日、斉藤さんになにか言いましたか」

「なにかって夏初をきつく叱らないように注意したことか?
ミスを指摘するにしても言い方があるだろ。
あんな、夏初が落ち込むほどきつく言わなくたっていい」

「はぁーっ」

彼の返答を聞き、私の口から重いため息が漏れた。

「私が落ち込んでいたのは斉藤さんから注意されたからじゃありません。
ちょっと注意すればいいだけのことでとんでもないミスを犯しそうになった自分に落ち込んでいただけです」

じっと晴貴さんの目を眼鏡越しに見つめるが、彼は唇を硬く引き結んでなにも言わない。

「数日前も所長に言って栗下先生を叱ってもらいましたよね?
確かにあれはちょっと無神経かなって思いますが、わざわざ所長に注意してもらうようなことですか」

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