黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「けど、夏初は傷ついたんだろ?」
「そう、ですが……」
いつまでも私が反抗するからか、彼は不満そうだ。
「わかった」
ようやく納得してくれたのかとほっとしたのも束の間。
「だったら、夏初を閉じ込めてしまおう」
彼はさもいい考えを思いついたかのようだが、どうしてその結論になるのか理解できない。
「そうすれば夏初は誰からも傷つけられないし、夏初を傷つけた人間を僕が処断する必要もなくなる。
これで全部、解決だ」
目尻を僅かに下げ、うっとりと微笑む彼は私を逃がしてくれない。
「まずはこの指環をこっちに移して」
私の右手を取って彼のものだという印の指環を抜き取り、彼は左手の薬指に着けかえた。
「これにサインして。
手続きは僕がやっておくから」
ポケットから抜き出し、テーブルの上に広げられた書類に目を向ける。
それは妻の欄以外埋められた婚姻届だった。
「晴貴、さん……?」
ぎくしゃくと再び、彼へと視線を戻す。
「事務所の退職手続きもしないとね。
携帯も解約しなきゃ」
「わた、しは」
しばらく私を見つめたあと、彼は困ったような顔をして抱きしめてきた。
「そう、ですが……」
いつまでも私が反抗するからか、彼は不満そうだ。
「わかった」
ようやく納得してくれたのかとほっとしたのも束の間。
「だったら、夏初を閉じ込めてしまおう」
彼はさもいい考えを思いついたかのようだが、どうしてその結論になるのか理解できない。
「そうすれば夏初は誰からも傷つけられないし、夏初を傷つけた人間を僕が処断する必要もなくなる。
これで全部、解決だ」
目尻を僅かに下げ、うっとりと微笑む彼は私を逃がしてくれない。
「まずはこの指環をこっちに移して」
私の右手を取って彼のものだという印の指環を抜き取り、彼は左手の薬指に着けかえた。
「これにサインして。
手続きは僕がやっておくから」
ポケットから抜き出し、テーブルの上に広げられた書類に目を向ける。
それは妻の欄以外埋められた婚姻届だった。
「晴貴、さん……?」
ぎくしゃくと再び、彼へと視線を戻す。
「事務所の退職手続きもしないとね。
携帯も解約しなきゃ」
「わた、しは」
しばらく私を見つめたあと、彼は困ったような顔をして抱きしめてきた。