黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「えっと……。
これはどういう状況か、説明してもらっても?」

彼の個室へ連れていかれ、気づいたときには壁に追いやられて両腕をついた彼に閉じ込められていた。

「バカと話して疲れたから、チャージさせて」

「チャージってな……」

気づくとすぐそばに晴貴さんの顔があった。
全部言い終わらないうちに唇を奪われる。
触れるだけで終わると思ったのに彼は唇を割って侵入してきて、がっつりと私を貪った。

視線を絡ませたまま、ゆっくりと離れていく彼を目で追う。

「……チャージ、完了」

私のグロスでテカる唇を、彼は見せつけるように親指で拭った。

「しょ、職場でキスはダメです……」

抗議しながらも晴貴さんが格好よすぎて、耐えられなくなった私は両手で顔を覆ってその場に座り込んでいた。

騒がせたお詫びを買いに行くからついてきてと言われ、一緒に事務所を出る。

「憲吾先生、あれで諦めたんですかね」

「どうだろうな。
まあ、あそこまで言われてまだやるっていうなら、その根性だけは認めてやってもいい」

晴貴さんはおかしそうだが、そんな根性はなくていい。

近くのお店でケーキを買って帰る。
< 181 / 252 >

この作品をシェア

pagetop