黒弁護士は夜咲く桜を独占する~過保護な愛に溶かされて~
「もういったい、幾人が再起不能に落としいれられてきたか」

「先月、判決が出た冤罪事件とか判決言い渡されたあと、もう陽川先生とやりあわなくていいって安堵した検事が泣き崩れたとかいう噂、聞きましたよ」

またしても先生方はうんうんと頷いているが、信じられるはずがない。

「まあ、あくまでも噂だけどね。
でも、それくらいこの世界では陽川先生は恐れられてる」

「味方にすればこれ以上ないほど頼もしいんだけどね。
でも敵に回したら……」

「お、恐ろしすぎる……」

ふたりは肩を抱いてガタガタと震えだし、申し訳ないけれど笑ってしまった。

休憩も終わり、仕事を再開する。

「栗下先生、ちょっと」

コピー機の前で頼まれた印刷をしていたら所長が栗下先生を呼びにきた。

「はい」

彼はどうして呼ばれるのかわかっていないらしく、不思議そうな顔で部屋を出ていった。
特になにも思わずコピーを取り終え、晴貴さんの部屋に向かう。

晴貴さんと憲吾先生、それにもうひとりのベテラン先生は個室だ。
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